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博報堂の新規事業「NESPA」について考えてみる。

 

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www.hakuhodo.co.jp

リリースして半年くらいが経過するNESPAについて考えてみたいと思います。

NESPAとは、簡単にいうと「ネットスーパーの商品をカゴ比較(単品ではなく合計金額で比較)するというもの。

マクロ的に見ると、いわゆるネットスーパー市場は右肩あがりでこの数年で1,000億規模になると言われている。

 

 

まずはお決まりのsimilarwebでみてみる。

期末の3月にSEM等の出稿を増やしたのか、15万MAUほどを記録した月もあるが、基本的にはダウントレンド。

 

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この事業を考えるときには、

1. そもそもネットスーパーについて

2. 商品情報について

2. マネタイズ方法の想像

の3点を考えたい。

 

1. そもそもネットスーパーについて

ネットスーパーの比較として、SEIYU・イオン・爽快ドラッグなどを対象店舗としているが、本来の意味でのネットスーパーとECが混同されている。

それは「商品が店舗からの配送されるか、物流拠点からの配送されるか?」の違いを意識していないところにある。

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当然だが、ネットスーパー型であれば、自分の住所に対応するネットスーパーの配送対象店舗が存在しないと、ネットスーパーは利用できない。例えばSEIYUは基本的には首都圏のみだ。

一方EC型であれば全国どこでも配送可能である。

 

商品軸でいうと、ネットスーパーでは生鮮食品が注文可能だが、ECでは取り扱いはほぼない。

 

そういった違いを意識せず各企業を横並びで比較しているところに違和感がある。

NESPAに掲載されている企業をまとめると、

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こんな感じである。

SEIYUは正確にはネットスーパーもあるのだが、ここに掲載されている商品は配送センター便が中心である。

またカクヤスについては、実店舗は持っていないが、きめ細かな配送拠点を持っているため厳密なEC型とは異なるが、一旦こう分類した。

 

2. 商品情報について

上述の通り、完全にネットスーパーというわけではないので、生鮮食品等には対応しておらず、また本来であれば価格に加えて比較対象としたい「配送情報」については比較できていない点でも片手落ちと言えるだろう。

そもそもかさばる商品が中心の比較であれば一度で送料無料ラインを超えるケースもあるので単品買いとなり、カゴ比較のニーズはあまりないと思われる。

 

3. マネタイズについて

最後にマネタイズについてであるが、以下2点で考えているのではないだろうか。

 

A. 送客課金

まずは単純に送客課金orCVR課金の成果報酬型のマネタイズだ。

カゴ送信するごとに◯円、もしくは購入完了で◯円といったことが考えられるだろう。

 

ただ、今後市場が伸びることが想定されているとはいえ、一度安いショップを見つけてしまえば、その経済圏でお得なサービスが受けられるので毎回このNESPAで価格比較するとは考えにくい。

例えばイオンであればWAONポイント等があるし各社もそういったものは用意されているため、次回からはNESPAを経由せず、直接各社にいき購入するのではないだろうか。

つまりポータルになれないので、送客課金は難しいと見る。

 

B. メーカーからのマネタイズ

こちらはまだまだ足の長い話であろうが、

カゴ比較ということで、うまくいけば購入に至る導線に入ることができる。

なかなか難しいであろうが、ブランドスイッチ促進等の手法でなんとかマネタイズをしたいのであろう。

もともと広告代理店なのでメーカーとのパイプはあるだろうし。

 

個人的には今の

・本格的にネットスーパー比較ができない状態

かつ

・商品価格比較のみで配送情報がない状態

では非常に厳しいビジネスですが、今後に期待!