ソーシャルギフトの行く末やいかに。
今日はソーシャルギフトについて考えてみる。
ソーシャルギフトと聞いて思い浮かぶサービスは結構多い。コンセプト先行型のコマースサイトは市場受けがいいのと、マーケティングコストがあまりかけなくてもいいのが旨味。
例えば
ソーシャルギフトのgiftee(ギフティ) | ソーシャルギフトサービス
ギフティとKDDI、ピーチ・ジョンへギフト販売プラットフォームをSaaS提供~欲しい下着をギフトとしておねだりできる“お願い機能”を追加~ | 株式会社ギフティ
や
Lineモール内にあるLineギフト
【LINE MALL】LINEの友人にギフト商品を贈ることができる「LINE ギフト」をLINE MALLで開始 | LINE Corporation | ニュース
などが挙げられる。特別な記念日でなくともいきなり唐突にお疲れ様ギフトってニーズ/市場はそこそこあると考えられるのだが、どのサービスもスケールに苦労している印象。
まずはgifteeから見ていくと、
- メインの価格帯は500〜1,000円が中心
- 共同購入型ではなく思い立った時に意外に手軽に送れる。そもそもFacebookで100人友達がいれば3日に1回は誰かの誕生日。
- 低単価商材だけでなく、BtoBでも稼ぐ気概
例えば、
月間5,000人の利用だとすると、5,000×750×12で45,000,000円となりだいたい10%の手数料率として450万。おそらく商品出品社は広告的な扱いで掲載しているはず。
またデジタルギフトのため余計な配送コストなどは不要である。
加えてSass型のe-giftsystemが10社導入されるとすると、月額20万(推測) ×12 × 10 =24,000,000円
で年間3,000万のトップラインは見込める。(なんか現実的。実際はもっと多いんだろう)
が、やはり物足りない。IPOを目指すというよりかは売却が具体的なEXITだろうか。
ただもらう側も簡単に利用でき、サービスとしては非常によい。
Lineモールは実際に利用した感覚だと
・商品がまだまだ少ない。探しにくい。
・全員が決済完了するまで発送されない
など莫大なユーザベース以外にまだまだ魅力は感じられない。
個人間決済のハードルが下がれば(立て替えができたり)爆発の予感はするが、法律問題もありまだ夜明けは先だろう。
あとは寄せ書きと一緒にギフトを送れるスポットライトなども有名か。
みんなで贈るソーシャルギフト・プレゼント \SPOTLIGHTS/(スポットライト)
寄せ書きと一緒に・・・ということだが、贈り物が花束だとこれまた規模が出にくい問題が発生。単体でのスケールは難しそう。
このソーシャルギフトをスケールさせていくためにはまだまだハードルがありそうだ。
成功させるためには
・単価が高く1商品が売れれば15%~20%程度の粗利が見込まれる。
・商品ラインナップが多彩でかつ競争力がある。
・簡単に決済ができ、梱包/配送のクオリティも担保されていること
などが肝となると思われ、この領域単体で勝負するのはなかなか難しそうだ。
親孝行をコンセプトとした
というサービスは利率も高そうではあるが、similarwebで見る限りだと直近のMAUが
4,000となっているので、これからに期待。
少しまとまりがなくなったがコンセプトから攻めるコマースは個人的にも注目していきたい。
ネイルブックの今後 ~1億調達のその後は~
最近やたら周囲で話題になっているネイルブックを取り上げる。
ネイル最新デザイン毎日更新 | とっておきネイルサロンの検索も | ネイルブック
まずは利用者の状況を調べてみてみる。
アプリはなんとノンプロモーションで100万DLを超え、MAUは60万。成長カーブも問題なし。プロダクトとしては非常によいのだろう。
一つづつみていく。まずは市場概要。
国内ネイル市場規模:2,000億
店舗売上:1,600億
店舗販促費:5%-10% (ここは推測)
調べて思ったが、意外とでかい。この業界の販促費投下先として真っ先に上がるのは巨人リクルートが運営するホットペッパービューティーで、おそらく現状では1強体制ではないだろうか。つけいる隙はあるのだろうか?
何人かの女性に聞くと、
ネイル選びはサロンではなく、ネイリストで選ぶ(びたい)
とのこと。ネイリストが主役のネイルブックはユーザニーズを的確に捉えているといえる。
さて、次にこのサービスのキモとなるネイル画像投稿数について考える。
1ユーザは多くても月に2回程度しかネイルを変更しないと考えると、どうしてもネイリスト側の投稿に頼りたくなる。だが、この規模までくると、すでに以下の良循環が回り始めていると考えられる。
ネイリスト側の投稿というサイト価値をあげるドライバがうまく機能しはじめ、まさに夜明け前の印象。サービス価値も高そう。
最後に「で、マネタイズは?」の件だが
これもまずはネイルブック単体でも売上60億くらいはすぐに見えそう。
2,000億×10%×30% = 60億
ある程度営業を抱えるとしても営業利益ベースで20%は固いのではないだろうか?
またここがおもしろいところなのだが、このモデルが応用できそうな業界が
・ヘアサロン
・まつえく
などすぐに思うかび、ビューティー業界を席巻する可能背も秘めている。
長くなりましたが、この辺で。
オールアバウトの今後について考える
今度ママ向けサービスを2本ロンチするわけだが、マネタイズを考えるとどうしても「メーカーからお金を取れないか?」という話になる。
※小売業界は利率が悪くマネタイズ先としては厳しい。。
で、色々考えているとたどり着いたのがオールアバウトの子会社「オールアバウトライフマーケティング」が運営するサンプル百貨店なわけで。
サンプル百貨店 - 新商品からモニター募集まで!最新情報やお得情報も!
各商品はあくまで「サンプル」という立て付けで「お試し購入」が可能になっている。
在庫処分的な意味合いもあるのだろうが、売れ筋の商品が相当お得な価格でちらほら。
メーカから年間○○円って形でもらっているのか、手数料って形なのかがわからないので、ここで本体のオールアバウトの決算資料をもってくる。
(オールアバウト 平成26年 通期決算資料より)
サンプル百貨店を扱う子会社がトップラインの上昇要因としてあがっておる。
なかなか順調なご様子。ただ肝心のマネタイズ方法についてはわからず。。
売上44億のうちサンプル事業の売上が33%
すげーな。。
と思考していて、改めてオールアバウトの決算を見る。
売上:44億・営業利益:1.2億
・・・
・・・
営業利益率2%!!!!メディア企業で2%とは・・・
サンプリング事業の物流等のオペレーション周りの固定費が相当利益を圧迫している可能性が見え隠れ。
だって、メディア企業で2%台はそうそう見ない数字ですよね。。
(コンテンツライターなどの人件費がかさんだとしても考えにくい)
最後に・・・
オールアバウトの今後について(予想)
・メディアとECの融合を模索。決算資料にもあったが、○○協会の立ち上げ支援?みたいなことをやっているみたいだし。
└全体としてEC側にシフトし、今は効率が悪い配送オペレーションまわりを規模をさばくことで効率をあげていく。
・サンプリング事業が買収される?
└MDはひじょうに尖っている。ので小売やもしかしたらYahoo!ショッピングなどに買収される?
以上です。
隠れた優良企業 電通国際情報サービスについて
世間は就職活動開始ということで、隠れた優良企業について書いてみる。
まずはISIDこと電通国際情報サービスから。
電通のIT子会社という位置づけだが、製造・金融にも強くなにより平均年収が高い。
決算を見てみると
売上:700億
営業利益:43億
営業利益率:5.8%
とある。(2014年通年決算)
営業利益率が5%後半で、あの年収ってことは単価は相当お高め。もっと営業利益率をあげることはできるんだろうが、利益を社員にそこそこ還元している模様。
また、セグメント別の利益率は開示されていないが、製造・金融・電通向けがそこそこバランスよくって感じ。
スタートアップ界隈でもそこそこ話題のFintech系のイベント(FIBC2015 開催概要 | fibc)
や、イノベーションラボなどのSierらしからぬ派手(?)なこともやっている。
イノベーションラボ関連はまだ利益を出すフェイズではなく、赤ベースだと思うが、その販管費用がどのセグメントについているかはわからない。その辺りを開示すれば更に実力がわかるのでは。
ま、前職なわけなんだが。
すごくいい会社だと思います。
ただ、「人が魅力で・・・」っていう理由でこの会社に入るとあとで苦労する。
事業を自分で立ち上げてってなことが将来やりたい人は特に。でもクライアントワークに魅力を感じるならば、一度は見ていただきたい会社ではある。
Bizerの今後が期待される件
初回はBizerを取り上げたいと思う。
Bizerは月額2,980円で利用可能なクラウド型バックオフィスでスモールビジネスのバックオフィス業務のダンドリをサポートしてくれるサービスです。
税理士/社労士などのバックオフィス系の士業と中小企業経営者(=スモールビジネス)のマッチング。特化型のクラウドソーシングで、利用者は月額2,980円でバックオフィス系の質問を投げて、Bizer上でやりとりができる仕組み。
このようなマッチングサービスは質問1件回答ごとに士業側に支払いが発生しそうなものだが、Bizerではそれは不要なモデルになっている。
なぜか?
これは一言でいうと
士業サイドの営業代行の意味合いもあるからだと想像される。士業サイドにとってみればユーザである中小企業社長は明らかに見込み顧客であり、Bizer上でのやりとりから契約につながれば・・・との狙いがあることは想像できる。
いわゆる「中小企業」は日本国内で430万社あるといわれており、そのうちの1%をとるだけで、4万ユーザが利用することとなる。
ということは、1%のシェアをとるだけで、
なんと2,980×12×40,000で
年間15億
のトップラインが見込めることになる。まずは規模としては合格といえるだろう。
中小企業側/士業側ともにWEBでの集客経路別の効率がどのようになるか?という問題はあるが、営業はほぼ抱える必要がないと思われるので、結果として営業利益ベースでは非常に高利益が想定される。素晴らしい。
※集客効率の観点でもそこそこのCPAは許容されると想定される。
今後のEXITプランが気になるところ。と思っていたら
月額2980円で士業に相談し放題のBizer、役所提出文書の自動生成が可能に - TechCrunch
などのニュースが出ていた。これは有料オプションではないようだが、今後はLTVを向上させる施策を出していくのではないだろうか。
・次の展開予想
└相性のいいサービス(思いつかない)との送客目的の提携。
└船井総研などの中小企業にコネクションを持つシンクタンクとの提携。
などが挙げられるが、いかがでしょうか。